流体の挙動や材料の変形といった物理現象を正確に予測するための数値シミュレーション手法の研究に取り組んでいます。特に、計算効率を高めながら数学的な妥当性を保証する新しい手法の開発を目指しています。

1. 流体解析のための数値計算手法の開発
   圧力で駆動される流れ（例: 水道管内の流れ）の数値解析手法を研究しています。圧力境界条件を適切に扱う新しい手法を開発し、数学的に安定性と誤差評価を証明しました。また、計算の高速化にも取り組んでいます。
2. 弾塑性材料の変形解析のための数値計算手法の開発
   金属やコンクリートなどの材料の変形挙動を記述する完全塑性モデルに対し、計算効率の高い新しい手法を提案しました。さらに、この手法を用いて、厳密解の存在を広い条件下で示しました。
3. ニューラルネットワークの数理的性質の解析
   深層学習でよく用いられるResNet と呼ばれるニューラルネットワークについて、その近似能力を数学的に解析しました。特に、ニューラルネットワーク内部の次元をどこまで小さくしても近似能力が維持されるかを研究しています。